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マクロミルの513億円TOBに思うこと

2013年12月12日 日記

2013年12月12日
スクリーンショット 2013-12-12 7.25.17
今日も素晴しい富士山が姿を現しました。風で雲が吹っ飛んでいるのでよく見えます。
さて
マクロミルさんというインターネット調査会社が米の投資会社に513億円で買収されることが発表されました。
なんともいえない感覚があるので記録として記したいと思います。(懺悔も含めて)

それは、「きくすけ・ねっと」というネットサーチのASPサービスをマクロミルさんより先に始めていたからです。
懐かしい2000年3月のニュースが以下のURLにあります。
———————-
ネットマン、ウェブアンケートの作成・集計・回答を行なうためのサイト“きくすけ・ねっと”を開始
2000年03月14日 00時00分更新
http://ascii.jp/elem/000/000/308/308370/
———————-
(マクロミルさんの創業が2000年1月です。513億の価値までもっていった経営者には頭が下がります。)

当時のきくすけ・ねっとのサービスは
・ホームページにアンケートを簡単に設置できるASPサービス(個人は無料。企業は有料)
・企業からマーケティング調査を請け負う、リサーチサービス(有料)
でした。
開始から積極的に宣伝やプレゼンとサービスなどを行い、1年くらいで8000人の個人のホームページ
で利用されました。8000人の先には50人程度のアンケート回答者がいたので40万人は集めていた
と思います。

ところが途中で展示会での出展を見たNECさんのある方から声がかかり
”Expressサーバーを売りたいのでパッケージソフトにしてくれ”と言われたのが運の付き、
「きくすけ・ねっと」の担当者が退社するということを期に止めてしまったサービスなのでした。
(その後パッケージソフトウェア販売ビジネスに参入します)

そして「社長が先見の明がないと従業員に苦労をかける」という私の格言が生まれるのでした。

そのあとのMixiの件もしかりです。
Mixiを作ったバタラさんは、学生時代ネットマンで働いていたんです。Mixiの原型のSNSサービスを
私は、MIxiができる1年前から知っていました。バタラさんも一生懸命私に「SNSが日本でも流行るからやろう」
と言っていました。私が聞く耳がなかったので、気づきませんでしたが。。

私は13年間のネットマン経営の経営判断の中で、これは誤ったなと思うことはたくさんありますが、第一位は
・きくすけ・ねっとを止めてしまったこと
です。

それは成長し・売り上げが上がるまで待つ体力がなかったことはもちろん、社員の人材育成の方向性が
変わってしまったことです。
ソフトウェアを販売するだけのサービスと、コンサルティング含めたサービスでは全く必要な人材像が違います。

私はSE出身だったのでソフトウェアの方が得意分野だった。でも今後はソフトウェアは安価になりビジネスは
サービス化されていくであろう未来を読んでいながら、楽な得意な方に流れてしまったということです。

それに数年たち、気づいたあと、早急にサービスカンパニー化を押し進めた結果、大量の離職と借金を残す
ことになったことです。
結果的に最近に至る7年間、「縮こまった経営」をせざるを得なかったことにつながります。
(おかげで一億円の借金は返せましたし、あちこち手を広げず2つの商品をじっくりやることにつながりましたが。。。)

いずれも社長の私の判断が引き起こしたものです。
これからも同じような判断ミスをするんだろうなと思いますが、確率は下げれるかなと思います。

でもあのときなぜ「きくすけ・ねっと」の撤退を決断したんだろうと考えると
・食べるために必死だっただけ
だと思います。
あまり深い理由はなかっただろうな。と
売り上げが全く上がらない、担当者が辞めるといっているサービスと
天下のNECさんが「年500本は売りますからやりましょう!」と言ってくれたサービスと
どちらをとったら明日生きられるか。
ということを非常に短絡的に考えてしまったということです。
食べるために必死で、自分にビジネスに対するこだわりが少なかったということですね。

これからは同じようなミスはないと思います。なぜなら、なぜ今の2つのビジネスを続けているのかという
明確な価値判断があるからです。しかも社会的な意義が非常に高い「教育改革」という分野ですから。

以上マクロミルさんのTOBのニュースを見たとき、いろんなことを考えさせられましたので過去の懺悔も含めて記しました。
だいぶ内省なので長文、乱文失礼しました。

さあ上げますね
今日も元気にいってらっしゃーい