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教職員3.7万人削減の前にすべきこと

2015年10月28日 教育

財務省が教職員3.7万人削減を提案しました。<NHKニュースはこちら>
財務省の審議会が、2024年子供の数が94万人減ることを受け全国の公立の小中学校の教職員の数を9年間で3万7000人削減するよう求める方針を示した。文部科学省は、“いじめなどの問題に対応するため、教職員を増やすべき”として反対している、とのことです。

 

この手のニュースが出ると、すぐに感情的な反応が出ます。
「教育予算を削るなんて!」「子供たちは未来の宝だ!」

 

という具合です。実際SNSでもそのような書き込みがみられます。

 

私はこのニュースを聞いたときに、至極自然のことだと思いました。
だって子供の数が減るんですから先生の数も減るという理論は成り立つでしょう。

ただ、先生の数を語る前に、もっと大切な議論があります。それは、

 

・教員の「仕事の生産性」はどうなのか?

 

という”問い”です。

文科省は新学習指導要領を小学校では平成23年度、中学校では平成24年度からスタートしています。「生きる力」を育てるという理念のもと、知識や技能の習得とともに思考力・判断力・表現力などの育成を重視しています。
授業時数が充実した算数・数学、理科に加え、外国語、 伝統や文化、 体験活動、 道徳教育などが強化されました。

 

子どもたちの学習力向上のために、教員が指導に集中できる環境を作ることは極めて重要です。
学習時間も延び、時代にあったきめ細かい新学習指導要領になったんですから教員の仕事量も増えていることが予想されます。

 

教員が今までと同じような仕事の仕方でよいはずがありません。

文科省はこうも言っています。
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教科指導におけるICT活用や校務の情報化も含めた学校教育の情報化は、子どもたち一人一人の能力や特性に応じた学びや、子どもたち同士が教え合い学び合う協働的な学びの創造につながり、21世紀にふさわしい学校と学びを実現するための鍵であると考えています
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この「教科指導と校務の情報化」という視点がとても重要です。

 

私はICT化活用の恩恵はまず教員が最大に受けるべき。

と考えています。(効果的に学習指導に時間が使えるという意味で)

 

教員が受ける恩恵は多くあります。
<教科指導>
・教材配布にかかる時間を減らせる
・小テストでの定着度把握や共有が楽になる
・児童の意見を共有して即座に集計できる
<校務>
・国や県や市から来る調査・アンケート回答が簡単になる
・PTAや親などに向けた通信作業が簡単になる
・先生同士の教材の共有が簡単になる

 

まず、アナログ時代からIT時代に移行するのは「教員」が優先です。その楽になった分、児童・生徒の指導の時間を充実させることができるのです。

 

教員の人数を減らすことを検討する前に、現在の先生方の仕事の生産性を著しく向上する目標を掲げた方がいいと思います。その結果、人数が足りる足りないの話をすればよいのではないでしょうか。