発明家 永谷研一 教育イノベーション 発明家 永谷研一 教育イノベーション

発明家  永谷 研一 Personal credo パーソナルクレド

賢者を率いて世界を揺さぶる稲妻

富士山の麓に、大きな大きなほら穴がある。
残念ながら、そのほら穴は、
誰も見つけることができないけどね。

なぜなら、そこは
神様たちの秘密の隠れ家だからさ。

神様たちは、毎晩集まって会議をしている。
会議ってわかるかな?
みんなで知恵を出し合うことさ。

何のためにって? たとえば・・、

どうしたら世界中の人たちが、
いつも笑って安心して暮らせるんだろうとか、

みんなが集まって仲良くなるためのお祭りは、
どんなことをしたらいいだろうか、とか、

ちょっと難しいかな。

国語の苦手な子に国語を好きになってもらうには、
どうしたらいいかとか、

子供たちに、宇宙について考えてもらうとしたら、
どんな集まりをしたらいいかな、
なんてのもある。
神様はいつだって真剣だ。
もちろん、出し合った知恵を使って、
必ず行動に移すことだって忘れない。

稲妻はね、そんな神様たちの
リーダーなんだよ、

なんで稲妻がリーダーかだって?

それは・・、そうだねえ。
世の中をよくするために、
新しいことを始める時にはさ、

その良いことを知ってもらうために、
光が届きにくい暗い場所にいる人まで届く、
強い光で始まりの合図を送ったり、

まぶしい光でびっくりさせて、
目を覚ましてもらうなんてことも、
必要だからかな。

稲妻が一番大切にしてるのは、
自分がぴかっと光ることじゃない。
そんなのは、まやかしだからね。

大切なのは、
みんなで一緒に新しい世界を作ること。
そのために、光を作って、
嵐を呼んで、洪水を起こすんだ。

自分だけでできることなんて
ちっぽけでつまらないけど、
みんなが心からつながったら、
とてつもない大きな力になるからね。

そんなわけで、今日は稲妻の話をしよう。

賢者を率いて世界を揺さぶる稲妻

その男は、稲妻。
新しい世界を生み出す嵐を巻き起こす。

田を植える者、
道を作る者
唄を奏でる者、
子を育てる者
民に知を伝える者
病を治す者、
変革の技を生み出す者・・・、

稲妻が呼びこんだ光の竜巻が
多くの賢者を巻き込み、
新しいうねりとなって、
世界を震撼させる。

稲妻の光の源は、霊峰に眠る叡智の光。
毎朝卯の刻に
稲妻が、放ち続けてきた光の雫・・・、
いよいよ満ち満ちて、溢れ出る時が来た。

目もくらむような、光の洪水、

やがて大河となり、大地をかけめぐる。

光の竜巻と洪水に、
人々は初め戸惑う。
逃げまどう者すらいる。

けれど、ひとたび光に包まれたら、しめたもの。
その温かさに心から身をゆだね、
光に照らされて気づいた自らの
叡智に目覚める。
そして人々は手を取り合い、
互いを認め、信じ合うようになる。

人々が集うその場所は、
笑顔に包まれたまぶしい場所となる。

ものはすべて遣い手しだい。
この男の起こす嵐や洪水は、無血開城。
ただの一人も、血を流さない。

人々はみな、
揺さぶられ、思い悩みながらも、
自己に目覚め、自己を愛し、
やがて周囲を慈しむようになる。

なぜかというと、
争いの果てにある暗闇の、
本当の暗さ、恐ろしさを、この男が
知りえているから・・・。

叡智の光を発明し、
賢者を率いて、世界を揺さぶる稲妻。

その稲妻の名は、永谷研一という。

~エピローグ

富士山から湧き上がった叡智の光は、
大河となって世界をかけめぐったのち、
やがて輝く海へと還るんだ。


稲妻が安らぐ場、
稲妻に光を与える源は、
実は母なる海なんだよ。


お父さんのお話は、
今日はこれでおしまい。


神鳴月  青い竜棲む池の畔にて 
冨永のむ子